海を学ぶ 〜生物との共存〜
海の生物たちが、人間の捨てた廃物までも、活用しなければならないのは、本当の自然の姿じゃないと思います。
しかし、こんなことが現状として受け止めることも必要で、今後私達が彼等といかに共存していくかという事を学ばねば共に地球から消え去るかもしれません。
海からのメッセージとして広くうったえかけていくことをライフワークとしようと考えております。

空き缶の中で生活する「ミジンベニハゼ」
タイヤに産みつけられた「ヤリイカの卵」 土管を利用して交接「マダコ」 土管に棲む「スナダコ」

廃物だってマイホーム

釣り人は立派な魚学者、といわれる。狙う獲物に合わせて仕掛けを工夫しなければならないし、その魚の暮らしぶりも熟知していないと成果は上がらない。
しかし、基本的には狩人の心境と同じ。いかに大物を釣り上げたとか、たくさん釣ったとかいう話で盛り上がり、魚が暮らす海底の環境にはあまり関心がないようだ。
その証拠に、いそ釣り場近くの海底には驚くほどの多くの空き缶や瓶やポリ袋が散乱している。海沿いの道路わきで、打ち寄せる波の下に使い古した自転車やミシンなどが転がっていることも珍しくない。
人目につかない海の底だからと、つい、不用品を投げ捨ててしまう私たちの生活態度に、大きな疑問と不安を感じるのである。
ところが以外なことに、そんな廃物を魚がちょっと休息するのに使ったり、隠れ家として使ったりしているのを目にすることがある。空き缶やホースの中に、ちゃっかり住んでいる彼らの姿を見ると、複雑な気持ちになると同時に、生きるためのしたたかな戦略に敬服してしまう。
岩穴や貝殻の中に身を潜めようとする魚は多い。安全でかつ生活に便利な場所を探すうちに、あちこちに転がっている廃物が目にとまり、この廃物利用の習わしを身につけてきたのだろう。しかし、果たして彼らはこの隠れ家に満足しているのだろうか。
海の環境問題を論じ合うとき、こうした現状をしっかりと見つめたうえで、海の生物たちの生活を守る手だてを考えていかなければならないと思っている。


ホースの中に棲む「ミナミギンポ」